ピクノジェノール®って何?松の樹皮から生まれた成分の正体
2026.03.30
エフマで販売している機能性表示食品「廻潤 meguru-ru(メグルール)」の原材料を見ると、「フランス海岸松樹皮抽出物」という聞き慣れない名前が書かれています。これは「ピクノジェノール®」とも呼ばれる成分なのですが、私も最初は「松の樹皮?食べられるの?」くらいの認識でした。
調べてみると、これがなかなか奥深い成分なんです。今回はピクノジェノール®がどういうものなのか、基本的なところをまとめてみました。
そもそもピクノジェノール®って何?
ピクノジェノール®(Pycnogenol)は、フランスの南西部、大西洋に面した海岸地帯に自生する「フランス海岸松(学名:Pinus pinaster)」の樹皮から抽出された天然由来の成分です1)。
「ピクノジェノール®」という名前は、スイスに本社を置くホーファーリサーチ社の登録商標で、同社が1970年代に開発・製品化しました1)。つまり、フランス海岸松の樹皮エキスそのものは自然由来の素材ですが、「ピクノジェノール®」はそれを特定の規格で製品化したブランド名、ということになります。
フランス海岸松ってどんな木?
フランス海岸松が育つのは、フランス南西部のランド地方と呼ばれるエリアです。ボルドーの南に広がるこの地域は、年間320日以上が晴天とも言われ、とにかく日差しが強い2)。さらに大西洋からの潮風や寒暖差にもさらされます。
こうした過酷な環境の中で育つフランス海岸松は、自らを守るために樹皮にたくさんの成分を蓄えると考えられています2)。人間が日焼け止めを塗るように、木も自分なりの対策をしているんですね。
ピクノジェノール®の原料になるのは、この地域で25〜30年かけて育った松の樹皮です1)。
どうやって作られるの?
ピクノジェノール®の製造には、ちょっと面白いこだわりがあります。
フランス海岸松は伐採後、24時間以内に生育地の中央に設けられた抽出施設に運ばれます。そこで水とエタノールだけを使った特許製法で成分が抽出されるのだそうです1)。
化学溶剤を使わず、素材が新鮮なうちに処理する。シンプルですが、品質を保つための工夫が詰まっています。
中に入っている成分は?
ピクノジェノール®に含まれる主な成分は「プロアントシアニジン」というポリフェノールの一種です。規格品としてはプロシアニジンを65〜75%含むことが基準となっています1)。
それだけではなく、カテキンやタキシフォリンなど40種類以上の有機酸が含まれており、単一成分ではなく複数の成分が組み合わさった「カクテル状」の構成になっているのが特徴です1)。
ちなみに、この厳密な規格値に届かない松樹皮エキスは「ピクノジェノール®」としては認められません。名前が同じでも品質にばらつきがあっては困りますから、そこは厳しく管理されているんですね。
「松樹皮エキス」との違い
サプリメントの成分表を見ると「松樹皮エキス」「松樹皮抽出物」「フランス海岸松樹皮エキス」など、似たような名前がいくつか出てきます。ちょっとややこしいですよね。
簡単に言うと、「松樹皮エキス」は松の樹皮から抽出した成分の総称です。松にもいろいろな種類があるので、原料となる松の品種や産地、抽出方法によって中身は異なります。
一方、「ピクノジェノール®」はフランス海岸松(Pinus pinaster)の樹皮を、ホーファーリサーチ社の特許製法で抽出したものだけを指す登録商標です1)。
つまり「ピクノジェノール®は松樹皮エキスの一種だけど、松樹皮エキスがすべてピクノジェノール®というわけではない」ということですね。
意外と長い歴史
松の樹皮が注目されるようになったきっかけとして、16世紀の探検家ジャック・カルティエの航海にまつわるエピソードがよく紹介されます。1535年、カルティエの探検隊がカナダのセントローレンス川で厳しい冬を過ごした際、先住民から松の樹皮と針葉で作ったお茶を教わったという話です3)。
この逸話に興味を持ったフランスのジャック・マスケリエ博士が、1950年代にフランス海岸松の樹皮からプロアントシアニジンの抽出に成功。これがのちにピクノジェノール®の開発へとつながりました3)。
つまり、400年以上前の先住民の知恵が、現代のサプリメントの原点になっているわけです。歴史って面白いですね。
安全性はどう確認されている?
ピクノジェノール®は2003年にアメリカでGRAS(Generally Recognized As Safe)の認定を受けています4)。GRASとは、アメリカ食品医薬品局(FDA)の制度で「一般的に安全と認められている」ことを示すものです。
また、ホーファーリサーチ社によると、これまでに450以上の研究論文が発表されており、100か国以上でサプリメントや化粧品、飲料などに使われているとのことです1)。
日本では2023年に、ピクノジェノール®に含まれる「松樹皮由来プロシアニジン」が機能性表示食品の機能性関与成分として届出受理されています5)。
まとめ
今回はピクノジェノール®がどういうものかをまとめてみました。
フランスの海岸で強い日差しや潮風に耐えながら育った松の樹皮から、水とエタノールだけで抽出された天然由来の成分。400年以上前の航海の逸話にルーツがあって、現代では世界100か国以上で使われている。
こうやって見ていくと、「松の樹皮のエキス」というシンプルな説明の裏に、なかなか面白い背景があるものですね。
ピクノジェノール®という名前を見かけたときに「あ、あのフランスの松のやつね」と思い出してもらえたら嬉しいです。
参考及び参照文献
1)
株式会社トレードピア,「ピクノジェノール®(フランス海岸松樹皮抽出物)」
https://tradepia.co.jp/commodities/anti-oxdation/pycnogenol/
2)
SUNAO製薬,「フランス海岸松樹皮エキス」
https://sunao-seiyaku.com/materials/pine-bark/
3)
わかさの秘密,「松樹皮抽出物」
https://himitsu.wakasa.jp/contents/pine-tree-skin-extract/
4)
ピクノジェノール®ショップ,「ピクノジェノール®とは?」
https://www.pycnoshop.jp/?mode=f2
5)
株式会社トレードピア,「ピクノジェノール®機能性表示食品の受理について」
https://tradepia.co.jp/pycnogenol_231122/
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