東証一部上場である株式会社メニコンは、言わずと知れたコンタクトレンズのパイオニア企業である。
不安定なコロナ禍においても堅調な増収増益を記録し、創業から70年経った今なお業績を伸ばし続けている。
成長し続ける企業メニコンにおいて、
次なる成長の主力と期待されているのが、
健康食品を取り扱うライフサポート事業である。
新型コロナウィルスの流行で
世界中の生活様式にパラダイムシフトが起きた今、
メニコンの視界にはどのような
未来が見えているのか?
その核心に迫るため、
ライフサポート事業部にインタビューを試みた。
深谷
コロナにより人々の生活様式が一変した今、ライフサポート事業部にどのようなことが期待されていると考えていますか?
山本
これまでも当社では、「より良い視力の提供を通じて広く社会に貢献する」ために、コンタクトレンズの提供をしてきました。しかしながら、このコロナ禍でリモートワークが増えたことにより、これまで以上に目を酷使する方達が増えたと感じています。
お客様の目を守ることを使命と考える私達としては、コンタクトレンズ下でより良い視力を提供するために、カラダの内側から目の健康を守る取り組みにももっと注力すべきと考えました。
深谷
なるほど。それで開発したのが2020年に発売した「めにサプリ クロセチン」なのですね。
機能性表示食品として、眼の機能をサポートする成分としては、10成分以上受理されている訳ですが、その中でなぜクロセチンを選んだのですか?
山本
弊社ではアンケート調査等の報告結果から、睡眠の質が見え方や目の疲れに影響することを実感していました。
本品にはクロセチンが含まれます。クロセチンは、良質な眠りをサポートする(睡眠の質)眠りの深さ)を高め、起床時の眠気や疲労感を和らげる)ことが報告されています。
また、目のピント調節をサポートする(パソコン作業などにより生じる目の調節機能の低下を和らげる)ことが報告されています。
※
本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
クロセチンとは、クチナシの果実に含まれる黄色の色素であり、天然で安心できる着色料として食品に広く使われています。また古来よりクチナシ果実は鎮静、消炎などの作用をもつ生薬として重宝されてきたことから、睡眠の質を高めることや目の緊張を和らげる機能性があることも納得です。経口摂取したクロセチンが、目の房水にも行き渡っていることが確認されています。(Eur. J. Pharmacol., 650, 110-119 (2011))。
E852「めにサプリ クロセチン」の届出資料 別紙様式Ⅴ4 研究レビューの論拠より引用・抜粋
深谷
今や機能性表示食品の届出受理数は5000商品を超え、眼の機能をサポートする商品も約300商品ある中で、消費者はどのサプリが飲むべきか迷うと聞きます。「めにサプリ クロセチン」はどんな方に適している商品なのでしょうか?
山本
リモートワークなどでスマホやPCの利用時間が増えていると思いますので、まずは、目を大切にして頂くことが重要です。最近、目を酷使していると感じる方は、「めにサプリ クロセチン」を是非、試して頂きたいです。またコンタクトレンズをご利用の方は、日々のコンタクトレンズの取り扱い方法をしっかり守って頂いて、快適で安全なアイライフをお送り頂きたいと思います。
健常な成人男女を対象に、クロセチン含有カプセルとクロセチンが入っていないプラセボカプセルを、時期をずらしてそれぞれ4週間摂取して、目のピント調整機能を調べた。ピント調節機能の評価指標はいくつかあるが、その中でも客観的な指標とされる「HFC値」と「縮瞳率」で評価した。
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HFC(High Frequency Component:調節微動高周波成分の出現頻度)値
動かない目標をずっと見続けた際に生じるピント調節の揺れ幅を周波数分析して求めた値で、目のピント調節に伴う緊張の程度を示す。
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縮憧率
近い目標を見る時の瞳孔の開き具合を測定して求めた値で、数値が大きい程、近見による負荷が掛かっていることを示す。
「めにサプリ クロセチン」がピント調節を維持するエビデンスとして採用した文献は2報。
1報目
HFC値を指標としたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験
眼疾患のない健常な日本人成人男女13名(男性4名、女性9名)を対象に、本品と同量の7.5㎎のクロセチンとプラセボを4週間ずつ摂取して、検査日に目に負荷をかけるテストを行い、負荷前後と安静後のHFC値を比較した。
クロセチン摂取後の安静時のHFC値変化量がプラセボに比べ有意に下がったことから、クロセチンにより目の緊張状態が緩和されたことを示す。
梶田雅義ら, クロセチン高含有クチナシ抽出物による眼精疲労改善効果, 視覚の科学, 28, 77-84(2007)
2報目
縮憧率を指標としたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験
眼疾患のない健常な日本人成人男女21名(男性4名、女性17名)に、クロセチン7.5㎎とプラセボを4週間ずつ摂取して、作業負荷をかけ、負荷前後と安静後の縮憧率を比較した。クロセチン摂取後の安静時の縮憧率変化量がプラセボに比べ有意に高かったことから、クロセチンにより調節機能の作業負荷が軽減されたと考えられる。
海貝尚史ら, Visual Display Terminal 作業に伴う調節機能低下に対するクロセチン摂取の影響―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験―, 日本補完代替医療学会誌, 14, 9-16(2017)
健常な成人男女を対象に、クロセチン含有食品とクロセチンが入っていないプラセボ食品を、時期をずらしてそれぞれ2週間摂取して、眠りの質を評価した。眠りの質は、脳波計や活動量計を用いた客観的な指標を主要評価とし、アンケートなどによる自覚症状を確認した指標も副次評価として設定した。
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デルタパワー
脳波計で睡眠が深まった際に見られるデルタ波の強度を数値化したもので、大きければ大きいほど眠りが深いことを示す。
「めにサプリ クロセチン」が睡眠の質を高めるエビデンスとして採用した文献は2報。
1報目
活動量計を主要評価としたランダム化二重盲検クロスオーバー試験
眠りに軽度の不満を感じている健常な成人男性24名を対象に、クロセチン7.5㎎ vs プラセボを14日間ずつ摂取して比較した。
客観的評価
活動量計にて、中途覚醒回数がプラセボ群と比較して有意に減少
主観的評価
セントマリー病院睡眠質問票にて、「熟眠感(質問:昨夜はどのくらいよく眠れましたか?)」および「目覚めの爽快感(質問:今朝起床した後、どのくらい頭がすっきりしていましたか?)」に関する質問項目において、クロセチン摂取後のスコアが摂取前と比較して改善傾向(p<0.1)
Kuratsune H. et al., Effect of crocetin from Gardenia Jasminoides Ellis on sleep: a pilot study, Phytomedicine, 17, 840-843(2010)
2報目
眠りに軽度の不満を感じている健常な成人男性および閉経後の女性30名
クロセチン7.5㎎/日 vs プラセボ(偽物)14日間による比較 ランダム化二重盲検クロスオーバー試験
客観的評価
脳波計にて、第1睡眠周期におけるデルタパワーがプラセボ群と比較して有意に増大
主観的評価
OSA睡眠調査票MA版による睡眠感のアンケートにおいて、「起床時の眠気」と「疲労回復」がプラセボ群に比べ、有意に高得点
Umigai N. et al., Effect of crocetin on quality of sleep: A randomized, double-blind, placebocontrolled, crossover study, Complement. Thera. Med., 41, 47-51(2018)
E852「めにサプリ クロセチン」の届出資料 別紙様式Ⅴ4-16 研究レビューから引用・抜粋
本商品に含まれているクロセチンは、原料供給メーカーである理研ビタミン株式会社が2006年から発売している「クロビット P」と同原料であり、「クロビット P」による現在までの喫食実績832㎏で問題がなかったことから、安全性は証明されている。
E852「めにサプリ クロセチン」の届出資料 別紙様式Ⅱ-1 安全性評価シートから引用・抜粋
深谷
そうなると、対象は日頃コンタクトレンズを使用している方ということになりますでしょうか?
山本
もちろん弊社のコンタクトレンズを使用している方には、是非ともお勧めしたい商品です。
「めにサプリ クロセチン」に配合されているクロセチンは、眼の毛様体筋という筋肉に直接作用し、緊張を和らげピント調整力を改善するとともに、副交感神経系を優位に傾け、睡眠の質を高める機能があると報告されています。眠るまでの時間を早めることは報告されていませんが、眠ってからの眠りの深さを深めるというのがポイントで、そのため朝もスッキリ目覚め、疲労感も解消されるというわけです。
こういった機能があるとなれば、眼を酷使する全ての方に手に取ってもらいたいと思うものです。
調節(Accommodation)とは、
すべての距離・形・輝度・色の複雑な視入力に対して、連続して焦点をあわせる働きをいう。
(平岡満里, 調節の機序と老視における機能的変化, 神経眼科, 21, 3-12(2004))
遠くの目標に焦点をあわせる調節は副交感神経系が行い、近くの目標の調節は交感神経系が行うと考えられています。
(中嶋伸子, 中村芳子, 調節メカニズムのサイエンス, あたらしい眼科, 1437-1441(2014))
経口摂取されたクロセチンは、血中から血液脳関門を通り、直接眼の毛様体筋に作用します。
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Yamauchi et al., Crocetin prevents retinal
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degeneration induced by oxidative and endoplasmic reticulum stresses via inhibition of caspase activity. Eur. J. Pharmacol., 650, 110-119(2011)
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Lautenschlager M. et al., Intestinal formation of trans-crocetin from saffron extract (Crocus sativus L.) and in vitro permeation through intestinal and blood brain barrier. Phytomedicine, 22, 36-44(2014)
長時間のPC業務や、スマホを使い続けると、副交感神経の異常興奮により、毛様体筋が緊張し続けてしまい、疲れ目の原因になります。
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西山文子, VDT 作業が調節機能に及ぼす影響について, 日眼会誌, 96, 209-216(1992)
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Nakamura Y., Measurement of papillary unrest in eyestrain., Jpn. J. Ophthalmol., 40, 533-539(1996)and in vitro permeation through intestinal and blood brain barrier. Phytomedicine, 22, 36-44(2014)
クロセチンによる抗酸化作用、眼血流改善作用、眼炎症抑制作用によって、毛様体筋周りの血流が改善することで、緊張が緩和されると考えられています。毛様体筋の緊張が和らぐことで、目のピント調節機能が維持されるというわけです。
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Yoshino F. et al., Crocetin reduces the oxidative stress induced reactive oxygen species in the stroke-prone spontaneously hypertensive rats (SHRSPs) brain., J. Clin. Biochem. Nutr., 49, 182-187(2011)
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Xuan B. et al., Effects of crocin analogs on ocular blood flow and retinal function., J. Ocul. Pharmacol. Ther., 15, 143-152(1999)
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Nagaki Y. et al., Effects of oral administration of Gardeniae fructus extract and intravenous injection of crocetin on lipopolysaccharide- and prostaglandin E2-induced elevation of aqueous flare in pigmented rabbits. Am. J. Chin. Med., 31, 729-738(2003)
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梶田雅義ら, クロセチン高含有クチナシ抽出物による眼精疲労改善効果, 視覚の科学, 28, 77-84(2007)
深谷
機能性表示食品への参入を通して、御社が実現したい未来を教えてください。
山本
弊社にはこれまでアイケア商品を通して、皆様の健康を支えてきたという自負があります。
お客様に不自然さを感じさせることなく、日常生活に寄り添い、そっと支えるサプリメント事業は、お客様の更なる生活の質向上に役立てると考えています。現在、めにサプリシリーズだけでなく、腸内バランスや妊活中のカラダづくりをサポートといった領域まで視野に入れ、身体全体のセルフケアをサポートしていく体制を整えています。
コンタクトレンズと同様に、サプリメントを日常的に摂取することが当たり前になった時、お客様はご自身の健康を実感し、その影響は社会全体に広がることでしょう。我々はより快適な『見る』を追求するため、サプリメントで健やかな美しいカラダづくりを応援していきます。こうした取り組みこそが、企業スローガンとして掲げる『ずっと輝く瞳に。』へ繋がると考えております。
深谷
ということは、御社は今後も健食事業に力を入れていくおつもりでしょうか?
山本
もちろんです。健食事業だけに留まらず、ヘルスケア・ライフケア事業は今後も弊社の主力事業です。
先日の決算発表においても。Vision2030と題して、メイン事業であるビジョンケアに加え、ヘルスケア・ライフケア事業を拡大していく方針を固めました。
そのマイルストーンとして、2026年3月期にヘルスケア・ライフケアで売上高100億円を目標に掲げました。現在レンズケア等で堅調な中国市場を足掛かりに、日本の健康な食品をグローバルに届けていきたいと考えています。世界中の人々をターゲットとして、本気で取り組んでいくつもりです。
メニコンのVision2030とは・・・
【2021年3月期決算及び中期経営計画 説明資料より引用】
深谷
健食業界における御社の更なるご活躍を期待しております。ありがとうございました。
山本
ありがとうございました。
ピント調整と睡眠の質を向上させる機能を持ち合わせながら、1日1粒で有効性を発揮するクロセチンを選んだというお話からコンタクトレンズの第一人者株式会社メニコンの本気が感じられます。
日本中に散在する130万人以上のメルスプラン会員にサプリが噛み合ってくると、とてつもないビジネスになりそうです。
今後のライフサポート事業部の一手から目が離せません。
深谷 泰亮
たしかにプラス株式会社 代表
生物工学修士を経て、医薬品の開発業務に従事。2011年に医療専門のWeb支援会社を創業。関西を中心に医院の集患対策を講じてきた。
2015年機能性表示食品事業に参入。企画から研究レビュー・臨床試験、届出代行、Web制作、販促支援までを一貫して行う機能性表示食品のトータルプロデュースで、平成28年度大阪トップランナー育成事業の認定を受ける。これまで数多くの機能性表示食品の届出支援を行ってきた。2021年6月「エフマ」オープン。
著書に「新医療広告ガイドラインで日本の医療が変わる」(2020年1月/メディカルビジョン出版)
消費者庁届出情報データベース, E852「めにサプリ クロセチン」, https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42012250230301
株式会社メニコン, 2021年3月期決算及び中期経営計画説明資料
株式会社メニコン, 公式サイト
Yamauchi et al., Crocetin prevents retinal degeneration induced by oxidative and endoplasmic reticulum stresses via inhibition of caspase activity. Eur. J. Pharmacol., 650, 110-119(2011)
梶田雅義ら, クロセチン高含有クチナシ抽出物による眼精疲労改善効果, 視覚の科学, 28, 77-84(2007)
海貝尚史ら, Visual Display Terminal 作業に伴う調節機能低下に対するクロセチン摂取の影響―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験―, 日本補完代替医療学会誌, 14, 9-16(2017)
Kuratsune H. et al., Effect of crocetin from Gardenia Jasminoides Ellis on sleep: a pilot study, Phytomedicine, 17, 840-843(2010)
Umigai N. et al., Effect of crocetin on quality of sleep: A randomized, double-blind, placebocontrolled, crossover study, Complement. Thera. Med., 41, 47-51(2018)
平岡満里, 調節の機序と老視における機能的変化, 神経眼科, 21, 3-12(2004)
中嶋伸子, 中村芳子, 調節メカニズムのサイエンス, あたらしい眼科, 1437-1441(2014)
Lautenschlager M. et al., Intestinal formation of trans-crocetin from saffron extract (Crocus sativus L.) and in vitro permeation through intestinal and blood brain barrier. Phytomedicine, 22, 36-44(2014)
西山文子, VDT 作業が調節機能に及ぼす影響について, 日眼会誌, 96, 209-216(1992)
Nakamura Y., Measurement of papillary unrest in eyestrain., Jpn. J. Ophthalmol., 40, 533-539(1996)
Yoshino F. et al., Crocetin reduces the oxidative stress induced reactive oxygen species in the stroke-prone spontaneously hypertensive rats (SHRSPs) brain., J. Clin. Biochem. Nutr., 49, 182-187(2011)
Xuan B. et al., Effects of crocin analogs on ocular blood flow and retinal function., J. Ocul. Pharmacol. Ther., 15, 143-152(1999)
Nagaki Y. et al., Effects of oral administration of Gardeniae fructus extract and intravenous injection of crocetin on lipopolysaccharide- and prostaglandin E2-induced elevation of aqueous flare in pigmented rabbits. Am. J. Chin. Med., 31, 729-738(2003)
科学研究助成事業 研究成果報告書(課題番号 25670047), 自然な睡眠を促すクロシン糖付加物の合成と作用機構の解明