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中の人と学ぶ「冷え」

2024.1.12

最近、寒い日が続きますね!
中の人も毎年手足の「冷え」に悩んでいます。

ある報告では冷え性のある人は女性が約60%、男性が約20%と言われています1)。女性が多い傾向ですが、男性も冷えを感じ続けると不調を引き起こしかねません。

そこで今回は冷えについて一緒に見てみましょう。

「冷え性」と「冷え症」の違い

どちらも確かに使いますよね。みなさんはどちらの字が思い浮かびますか?
実は一字違うだけで意味が大きく変わってきます。

冷え性

特別な基礎疾患がないにも関わらず,身体が冷え易く,冷感過敏があり,手足の冷えやゾクゾクするような寒気などの症状があっても体質として認識する西洋医学的な考え方1)

冷え症

冷え性としての症状があれば,治療の対象となる症候の一つとみなす東洋医学的な考え方1)

冷えを病気と捉えるかが西洋医学と東洋医学で変わってくるのは面白いですね。

冷えのメカニズム

ではなぜ冷えるのか、身体の中で何が起きているのか調べてみました。

自律神経とは

不調の原因を調べると「自律神経の乱れ」というワードをよく見かけます。では「自律神経」とは何なのでしょうか?
自律神経は心臓、血圧、呼吸、消化、体温調節など人間が生きていくうえで欠かせない機能を24時間自動でコントロールしてくれている神経の総称です。
総称なので、もう少し細分化して調べてみる必要がありそうです。

交感神経・副交感神経について

実際の身体の働きをコントロールしてくれるのが「交感神経」と「副交感神経」です。
交感神経は運動時などの興奮モード、副交感神経はリラックスモードに発揮されると考えてください。
冷えはこの2つの神経による血管への作用で引き起こされます。
交感神経による興奮モードでは血管が収縮して血流が滞るので冷えやすく、副交感神経によるリラックスモードでは血管が拡張して血流が盛んになるので冷えにくいという特徴があります。
血流と体温については「体内で産生された熱(基礎代謝)が血流によって移動し,体温を恒常性に保つ」4)と言われており、体温と深く関係していることが分かっています。

冷えにはタイプがある!

さらにどうやら冷えにはタイプがあるらしいのです。
中の人は冷え性の人はみんな同じものだと思っていました。

1.下半身型

デスクワークが多い人がなると言われています。
下半身型の人は交感神経が高い傾向にあります。2)
お尻やふくらはぎの筋肉の凝りが原因で下半身が血行不良になり冷えてしまいます。

しかし、中には副交感神経が高い傾向にあるのに下半身型の方もいるようです。このタイプの方は体内熱量が普通より高く、下半身が冷えると体温調節機能が過剰に働いて上半身だけが熱を帯びる”冷えのぼせ”という現象が起きます。2)

座りっぱなしに注意し、ふくらはぎを反対の足の膝に押し当てるなど凝りをほぐしてあげましょう。

2.四肢末端型

食事量が少なく、運動不足という生活習慣の方に多く見られます。
体内熱量が少なく、興奮モードの交感神経が過剰に働いて手足の血管が収縮するため、手足が冷えてしまうのです。

食事量を増やしてみたり、少しでも体を動かす習慣を作りましょう。

3.内蔵型

副交感神経が高く、交感神経が低くなっており、バランスが取れていないのが原因です。
副交感神経は血管を拡張させるほか、「臓器や器官などの働きを抑制する」6)役目もあります。
副交感神経が高まることで、胃腸の働きが低下するので内臓が冷えてしまいます。

4.全身型

極端な体力低下が原因で体内で熱を十分に作れなくなってしまうパターンです。
交感神経が高くなり血液が上手く行き渡らなくなることで、冷えが生じます。
ストレスや生活習慣病の悪化が考えられますので生活習慣の全面見直しをオススメします。

中の人は手足が冷えるので四肢末端型ですね。食事量が少ないという点にギクリ…。
皆さんはどのタイプでしょうか。

冷え改善のための習慣

ここでは中の人が調べたものを総合してお伝えします。

大きな関節を動かす

肩や股関節といった体の中でも大きな関節には大小の筋肉がついています。
筋肉は筋繊維という繊維で構成されています。筋繊維には毛細血管が集中していて、筋繊維の種類によって数量が変わります。エネルギー産生に優れていて持久力の高いタイプの筋繊維(遅筋繊維)があり、そこには毛細血管が多く入っています。10)
毛細血管が集中しているところは血流による熱移動が盛んに行われるので、小まめに動かすと効率よく血流促進できます。

のど、肩甲骨まわり、太ももを温める

のどや首を温めると体温保持、交感・副交感神経のバランスを整えるのに効果があります。
また、肩甲骨まわりは7種11)や太ももは4種12)の筋肉がついており、ここを動かしたり温めたりすることで冷え改善に有効です。
中の人も首は温めていて、急に冷え込んだ11月中旬にはマフラーグルグル巻きにして社内でもすごい格好と言われました笑

ゆったりした呼吸法

仕事やストレスで呼吸が浅くなってませんか?
交感神経は体を緊張させるので呼吸が浅くなります。
腹式呼吸を1日15~20分行うと、副交感神経の低下を抑えることができます。リラックスするのが大事なので湯船に浸かりながらでもいいでしょう。

入浴はシャワーではなく湯船に浸かる

シャワーでは体の表面しか温まりません。血流促進には湯船にしっかり浸かって体の芯を温めるようにしましょう。少し汗ばむくらいが目安です。

体を温める食材を摂る

旬の食材を摂るのは身体にも良いです。
「冬が旬の野菜は寒さやストレスに耐え、風邪などの感染に打ち克つ成分を含む。」9)と報告されています。
秋冬なら「人参、ゴボウ、大根、カブなの根菜」7)が挙げられています。
旬の食材は安くなったりもするので家計にも嬉しいですよね。

甘いもの、冷たいものは控える

「糖、特に精製された砂糖は摂りすぎると体を冷やす」7)とされています。
また冷たいものの摂りすぎも胃腸の消化活動を抑え、エネルギー源となる栄養の吸収を妨げたり、交感・副交感神経のバランスを崩す原因にもなるので注意です。
中の人もビタミン剤を摂取するときに冷たい水で飲んでしまっているのでこれはすぐに変えたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
寒い時期になりますが、このページの内容を活かして冷えに対処して頂けると中の人も嬉しいです。

参考文献

1)

新藤和雅,「冷え性と自律神経」Cold hypersensitivity and autonomic nervous system Vol.60 No.2 Page.71-75(J-STAGE) (2023.06.15)

2)

伊藤剛,「冷え症と自律神経」Autonomic nervous system characteristics of sufferers from cold ,Vol.59 No.1 Page.10-15(J-STAGE) (2022)

3)

福岡知子,「冷え症の生理学的メカニズムについて─健常成人男女の自律神経活動と熱産生による検討─」The Physiological Mechanism of Hiesho (Cold Sensitivity)―A Study of Autonomic Activity and Heat Production in Healthy Adult Men and Women―,Vol.52 No.2 Page.87-93 (2022.05.01)

4)

大川洋子,「ヒトの生体における血流による熱移動の仕組みと体温調節」Structure of Fever Displacement by Blood Flow and Regulation of Body Temperature in Organism of Human
https://www.jstage.jst.go.jp/article/htsj1999/44/188/44_188_7/_pdf/-char/ja

5)

NHK健康チャンネル,伊藤剛監修,『あなたにオススメのツボやケアは?正しく知る「冷え症対策」タイプ別セルフチェックと対策』
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1143.html

6)

一般社団法人日本健康倶楽部,健康用語辞典,副交感神経
https://www.kenkou-club.or.jp/kenko_yogo/h_12.jsp#:~:text=%E8%87%AA%E5%BE%8B%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%A1%E8%87%93%E5%99%A8,%E6%B6%88%E5%8C%96%E3%81%8C%E4%BF%83%E9%80%B2%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

7)

脳疲労や免疫力低下の原因にも『末端冷え症』を改善する6つの習慣伊東エミナ(医療法人社団JOY エミーナジョイクリニック銀座 理事長)監修
https://cs.sonylife.co.jp/lpv/pcms/sca/ct/special/topic/index2011.html

8)

冷え性(手足の冷え)の改善方法とは?原因や症状についても解説記事監修:医師・専門家監修女性向け健康情報雑誌『からだにいいこと』編集部
https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/14.html

9)

熊本県農業情報サイトアグリ,Vitamin table~第1回 旬のおはなし~野菜ソムリエ上級プロ, 女子栄養大学生涯学習講師,持田成子監修
https://agri-kumamoto.jp/reference/data/vitamin-table%E3%80%80%E3%80%9C%E7%AC%AC1%E5%9B%9E%E3%80%80%E6%97%AC%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E3%80%9C/

10)

最新・信頼の健康情報サイト日経Gooday『筋肉が増えると血行が良くなる?第133回 血行の良し悪しは、どういう運動をやっているかに依存する』
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/18/022100010/060200144/

11)

ストレッチ好きに贈る、役立つ身体の豆知識ブログ ストレッチのチカラ「肩甲骨周りに存在する17種類の筋肉の”つながり”とは?」
https://tomy-blog13.com/2017/01/25/%E3%80%90%E8%82%A9%E7%94%B2%E9%AA%A8%E5%91%A8%E3%82%8A%E3%81%AE%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%80%91%E8%82%A9%E7%94%B2%E9%AA%A8%E5%91%A8%E3%82%8A%E3%81%AB%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%8C17%E7%A8%AE/

12)

MELO’S,足の筋肉の名前まとめ!「太ももの筋肉の名前は?」「ハムストリングスって?」
https://melos.media/wellness/59321/

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