機能性表示食品:H980
本品にはパイナップル由来グルコシルセラミドが含まれます。
パイナップル由来グルコシルセラミドは、肌の乾燥が気になる方の、肌の潤い(水分)を逃がしにくくし、肌のバリア機能(保湿力)を高めることが報告されています。
はじめにパイナップル由来グルコシルセラミドが体内でどう働きかけるのか、作用機序を解説していきましょう。
作用機序とは薬学分野ではよく使う言葉で、簡単に言うと「薬物が生体にどのような機能があるのか、どのような仕組みで機能しているのか」ということです。
まずは肌の作りについて説明しておきましょう。肌は下の図のようになっており、表面には角質層があります。角質層は角質細胞(固体)とその隙間を埋める細胞間脂質(液体)でできています。1)
では肌の構造を理解したうえで、パイナップル由来グルコシルセラミドがどう作用していくのか説明していきます。
角質層の隙間を埋める細胞間脂質には、化粧品でよく使われる肌の保湿成分「セラミド」が含まれています。2)
セラミドは細胞間脂質の中で細胞同士の接着を高め、肌の水分を漏らさないようにしたり、外部からホコリや花粉などの侵入を防ぐバリア機能の役割を担っています。つまり、セラミドが増えることで肌の保湿力が高まるということなのです。2)
角質細胞は皮膚の最深部で作られた細胞が死んで皮膚表面に押し上げられたもので、その後肌の新陳代謝にのって自然に剥がれ落ちる運命にあります。
その角質細胞を覆う細胞膜には、
1.
細胞の中にある液体が抜けるのを防ぐ
2.
体に異変が起こったとしても細胞自体を守る
作用があり、角質細胞と細胞間脂質を密着させ、水分の逃げ道を塞ぐという役割を果たしています。3)
この細胞がギュッと寄り集まって水分の逃げ道を塞ぐ現象「タイトジャンクション」が、水分蒸散とホコリや花粉などの侵入を防ぐバリア機能を果たしています。
セラミドはその大事な役割を果たす角質細胞の細胞膜を作るのに必要な「トランスグルタミナーゼ-1」を増やすことが知られています。4)つまり、タイトジャンクションを保つためにセラミドを蓄えておく必要があります。
この「タイトジャンクション」という現象から筆者はゼリーをイメージしました。
ゼリーの材料に使われるゼラチンは中が網目構造になっており、水分を中に閉じ込めるため液体が固まったようになります。理屈がとても似ていますね。
パイナップル由来グルコシルセラミドが保湿力を高めるメカニズムについて理解したところで、臨床試験の結果を確認します。
20歳以上60歳未満の肌のくすみや乾燥を自覚する健常な日本人男女61名
「ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験」
試験食(本物)群とプラセボ(偽もの)群で投与し、同時並行で観察を行いました。
これによりパイナップル由来グルコシルセラミドは人に対して効果があるのかないのかを知ることができます。
【試験食(本物)】
パイナップル由来グルコシルセラミドを含む錠剤
【プラセボ(偽もの)】
パイナップル由来グルコシルセラミドを含まない錠剤
1粒を1日1回、夜、就寝前に水またはぬるま湯とともに摂取。これを12週間摂取してもらいました。
摂取開始の4週後、8週後、12週後に皮膚の水分量を調査しました。
経表皮水分蒸散量で見ています。(測定部位:右頬骨部)
セラミド摂取群ではプラセボ群と比較して経表皮水分蒸散量が少ないという結果が得られました。「経表皮水分蒸散量が少ない=肌から蒸発した水分が少ない」ということで、肌の保湿力が高いということです。本文献ではこの結果からパイナップル由来グルコシルセラミドは肌水分を逃がしにくくし、保湿力を高めると結論付けています。
本品を実際に食べてもらって安全かどうかの情報はまだ十分な量が集まっていません。そこで過去の情報の中からパイナップル由来グルコシルセラミドが安全かどうかを調べた試験をまとめました。
採用した試験は下記の2報です。
1つ目はパイナップル由来グルコシルセラミドを長期にわたって摂取する試験です。
パイナップル由来グルコシルセラミドを1日1粒(1.2mg)摂取。「2週の摂取→4週摂取無し→2週の摂取→4週摂取無し」という流れで行いましたが、安全性に大きな問題は見られませんでした。その結果、長期にわたってパイナップル由来グルコシルセラミドを摂取しても問題がないことが示されました。5)
2つ目はパイナップル由来グルコシルセラミドをたくさん摂取した試験です。通常1粒のところを1日5粒(6.0mg)飲みました。こちらの試験においても安全性に問題はありませんでした。6)
長期間飲んでも、あるいは5倍の摂取量で比較してみても、問題は認められなかったという結果からパイナップル由来グルコシルセラミドの摂取は安全性の面において問題はないと判断されました。それでも本品を摂取する際は用法用量を守ってください。
本品にはパイナップル由来グルコシルセラミドが含まれます。
パイナップル由来グルコシルセラミドは、肌の乾燥が気になる方の、肌の潤い(水分)を逃がしにくくし、肌のバリア機能(保湿力)を高めることが報告されています。
「うるおいサポート」に含まれているパイナップル由来グルコシルセラミドの解説はいかがでしたか?
パイナップルに肌の保湿に関係する成分が含まれているなんて驚きですよね。
この解説を読んでいただけたことで「肌の潤い(水分)を逃がしにくくし、肌のバリア機能(保湿力)を高める」仕組みをご理解していただけたかと思います。
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1)
サンソリット「スキンケア研究所 - 肌の基礎知識 表皮の仕組み」
https://www.sunsorit.co.jp/skincare-labo/skincare_column_18/
2)
吉野進ら,「パイナップル由来グルコ シルセラミド摂取による肌のくすみおよび乾燥を感じる健常日本人男女に対する皮膚機能改善効果-ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-」“薬理と治療 2015;43(11):1593-1600.”
3)
Kawada C, et al. Biosci Biotechnol Biochem 2013; 77: 867-9.
4)
丸善製薬株式会社 試験報告書.
5)
Yoshino S, et al. Jpn Pharmacol Ther 2016; 44(2): 247-253.
6)
Yoshino S, et al. Jpn Pharmacol Ther 2016; 44(2): 255-260.