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塩の豆知識|お相撲の土俵に山盛りに盛られた塩のイメージ

知っているようで意外と知らない、塩の豆知識まとめてみた

2026.05.18

塩は、料理にも、豆腐づくりにも、お相撲さんが土俵にまく一握りの白い粒にも使われている、毎日どこかで目にする超身近な存在です。
でも、「塩って何でできてるの?」「名前の由来は?」「種類ってどれくらいあるの?」と聞かれると、意外とパッと答えられないもの。
今回は、知ってるようで意外と知らない、塩のちょっとした豆知識をまとめてみました。

そもそも、塩って何でできてるの?

塩のおもな成分は、「塩化ナトリウム」(NaCl)。理科の授業で出てきた、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)がくっついた物質です2)

自然界では、海水のほか、地下の岩塩、塩辛い湖、温泉など、いろんな場所に見つかります2)

「塩」って、どこから来た名前?

ふだん何気なく使っている「塩」という言葉。実は漢字や外国語のルーツをたどってみると、けっこう面白いんです。

まずは漢字。「塩」という字は、もともと「鹽(えん)」という難しい字を省略してできた形で、6世紀ごろにはもう使われていたそうです5)

次は英語。英語で塩は「salt(ソルト)」。実は給料を意味する「salary(サラリー)」と同じ語源で、ラテン語の「sal(サル)」から来ています1)。古代ローマでは、兵士への給料の一部として塩が支給されていたことに由来するそうです。サラダ・ソース・ソーセージも、同じ「sal」が語源と聞くと、塩って世界中で愛されてるんだなぁと実感しますね1)

日本でも、昔の宮中の女性たちは塩のことを「波の花」と呼んでいたそうです1)。海の波しぶきにたとえた、なんとも風流な言い方ですね。

塩って、地球のどこにあるの?

塩は、自然界のいろんな場所にあります2)

いちばん身近なのが海。海水には、重さの約2.8%くらいの塩がとけ込んでいます2)。地下には、塩のかたまりが層になった「岩塩」がありますし、南米のウユニ塩湖のような塩辛い湖、塩を含んだ温泉なんかにも見つかります2)

海・地中・湖・温泉と、地球のいたるところにある、なかなかお馴染みの存在なんですね。

透き通った青い海と白い砂浜。海水には約2.8%の塩がとけ込んでいる

ひとくちに「塩」と言っても、こんなに種類がある

ひと口に「塩」といっても、採れる場所や作り方によって、いろいろな種類があります1)。代表的なものをのぞいてみましょう。

海塩(かいえん):

海水から作る塩の総称です1)。日本のスーパーで見かける食用の塩は、ほとんどが海塩です。

天日塩(てんぴえん):

海塩の作り方のひとつ。塩田で海水をひいて、太陽と風だけでじっくり水分を飛ばしたものです2)。メキシコやオーストラリアなど、雨が少なく日差しの強い地域で大規模に作られています2)

岩塩(がんえん):

地下から掘り出される、鉱物としての塩です3)。大昔の海が大地の動きで地中に閉じ込められて、長い時間をかけて固まったものと言われています3)。有名なのは、ポーランドにあるヴィエリチカ岩塩坑。なんとユネスコの世界遺産にも登録されています3)

ヒマラヤ岩塩(ピンクソルト):

最近スーパーでもよく見かける岩塩で、主にパキスタンで採れます4)。ピンクや紫、黄色など色がついていることがありますが、これは結晶のなかに硫黄などのちょっとした成分が混ざっているせい、と考えられています4)

藻塩(もしお):

日本に古くから伝わる塩で、海藻を使うのが特徴です1)。万葉集にも「藻塩焼く(もしおやく)」という言葉が出てくるくらい、ずっと昔から作られてきました1)

精製塩・食卓塩:

塩を工場で加工して、純度を高めたり、サラサラに使いやすくしたりしたもの。料理本でよく見るあの白い塩、というイメージです。

塩って、どうやって作られているの?

世界の塩の作り方は、大きく分けて「地下の岩塩を掘り出す」「海水を煮詰めて取り出す」かの2つです1)

世界全体では、岩塩から作るやり方が主流。地下の岩塩を直接掘り出したり、岩塩の層に水を注いで塩を溶かし、その水を蒸発させて取り出したりします3)

一方の日本は、岩塩が出ません3)。そのかわり、ぐるりと海に囲まれているおかげで、海水から塩を作るのが昔ながらのやり方です。今は1971年から始まった、海水から電気の力で塩を取り出す方法が主流になっています1)

ちなみに、塩はかつて国が独占して売っていた時代もありました。日本では1905年(明治38年)に塩の専売制度がスタートし、なんと1997年(平成9年)まで続いていたんです1)。意外と最近の話ですよね。

木のスプーンに盛られたヒマラヤ岩塩(ピンクソルト)と粗塩。塩には色や粒の大きさの違うさまざまな種類がある

塩の粒は、よく見るとサイコロ形

塩の粒を虫メガネで拡大して見てみると、ほぼ立方体(サイコロのような形)をしています2)

これは、ナトリウムと塩素の小さな粒が、規則正しく交互にぎっしり並んで結晶を作っているから2)。家にある塩でも、白い粒をよく見るとカクカクした形が観察できます。

ちなみに塩は、800℃くらいまで温度を上げるとドロドロに溶ける、なかなか頑丈な物質でもあります2)

実は、料理用の塩は少数派?意外な使われ方

塩といえば、まず思い浮かぶのは料理の調味料ですよね。でも実は、世界全体で見ると、食用は意外と少数派なんです1)

日本の用途別データだと、もっとも多いのは道路の凍結防止・融雪用で約42%、次が化学工業の原料で約39%。食品加工はわずか4%ほどしかありません1)

道路の融雪剤:

冬の道路にまかれる白い粒の正体も、実は多くが塩。氷をとかす性質をうまく利用したものです3)

化学工業の材料:

プラスチックや洗剤、紙などを作るときの材料としても、塩が間接的に使われています2)

食品の保存・調味:

塩漬けや味噌、醤油、漬物、塩焼きなど、食べ物を保存したり味つけしたりする使い方は、人類のいちばん古い塩の利用法とされています1)

アイスクリーム作り:

氷と塩を混ぜると温度が一気に下がるという性質があり2)、理科の実験でアイスを手作りした記憶がある方もいるかもしれません。

「天然塩」「自然塩」って書いてある塩、見たことある?

スーパーの塩売り場をのぞくと、いろんなキャッチコピーの塩が並んでいますよね。でも実は、塩のパッケージで使っていい言葉と使えない言葉には、業界のルールがしっかり決まっています6)

たとえば、「自然塩」「天然塩」「自然海塩」といった言葉は、実は使ってはいけないことになっています6)。「ミネラルたっぷり」「体にやさしい塩」など、健康に良さそうなイメージを持たせる表現もNGです6)

理由は、こうした言葉だと根拠がはっきりせず、買う人が品質や効果を勘違いしてしまうおそれがあるから6)。「天然=なんとなく良さそう」と感じさせるのは、フェアじゃないという考え方ですね。

このルールを守った商品には「塩公正マーク」というマークがつけられます7)。今度塩を買うときに、ちょっと裏面を見てみると面白いかもしれません。

まとめ

今回は、身近な「塩」のあれこれをまとめてみました。

おもな成分はナトリウムと塩素がくっついた塩化ナトリウムで、海・地下・湖・温泉と、地球のあちこちに存在しています。英語の「salt」と給料の「salary」が同じ語源、というのも面白い豆知識でしたね。

世界では岩塩から、日本では海水から作るのが主流で、結晶のかたちはサイコロのような立方体。料理だけでなく、道路の融雪や化学工業の材料としても、大量に使われている縁の下の力持ちです。

毎日見ているあの白い粒には、地球の歴史と人類の歴史が、どちらもぎゅっと詰まっているんですね。次に塩入れに手を伸ばしたとき、ちょっと違って見えるかもしれません。

参考及び参照文献

1)

塩 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/塩

2)

塩化ナトリウム - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/塩化ナトリウム

3)

岩塩 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/岩塩

4)

ヒマラヤ岩塩 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒマラヤ岩塩

5)

鹽 - ウィクショナリー日本語版
https://ja.wiktionary.org/wiki/鹽

6)

食用塩公正取引協議会「規約解説」
https://www.salt-fair.jp/explain/
食用塩公正取引協議会「使用できる用語」
https://www.salt-fair.jp/helpful/step3-3.html

7)

公益財団法人塩事業センター「塩の公正マークについて」
https://www.shiojigyo.com/siohyakka/select/fairnessmark.html

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